女が「穴と袋」なら, 男は「サオと玉袋」

二冊本を読んだ.
恋は肉色 菜摘ひかる
女は愛でバカになる 田嶋陽子

田嶋陽子が「女は穴と袋になっている」. といっていた.

僕は, 女が「穴と袋」なら, 男は「サオと玉袋」だと思う. 女社会が男社会によって縛られているなら, 男社会は自らをその常識で縛っている. ことセックスに関してはそうだ.
セックスの時にサオが勃たなければ自信喪失し, 年老いてサオが勃たなくなれば男として終わりだと思ってしまう. ペニスが小さければそれで人格を否定され, セックスがうまくなければ「あの人うまくないよね」というレッテルを貼られる.
これは広い意味での「去勢」だと思っている. そのために必死でハダを磨き会話を磨き, 「いい女」を漁り, 必死で腰をパコパコ動かして「イッた? イッた? 」などと何度も聞き, あげくのはてに演技をされてしまう. こんな男は「サオと玉袋」だと思う.
「ペニスでしか感じられない, 射精が一番気持ちいい」という常識がそうさせる. そして, 「セックスの時は男は奉仕するものだ」という常識がそうさせる. 射精時の一瞬の快感しか知らない男が, そしてそれに征服欲だの社会的地位だのを塗りたくってオレは成功者ヅラをしている男が, どれだけいるだろうかと思う.
「穴と袋」論理は, この状況を後押してしまう. 「男は射精でしか感じられない」という常識を後押ししてしまう. なのに田嶋陽子は, 穴と袋になるなという. セックスはただ子供を生む手段ではない. 女にはもっと男を教育し, 開発してほしいと思う.
もういいから, 「穴と袋」「サオと玉袋」で構わないじゃん. なんで部分にこだわるんだよ. コンプレックスか? 重要なのは体全体だろ. 常識なんて捨てて, 抱き合えよ.

恋は肉色

文章が僕の妹の文章に似ていた.

どこまでも自分の考えた事を正当化しようとしながら, 逆に現実世界での自分ルールを決めて, 落ちないようにしている. だけど人間仕事だけで生きてるわけじゃないから, 上滑りしてどんどん壊れていく.
風俗の世界に, 光は無いのかと思ってしまう. そしてそれを分かっている人. 「フーゾクトイウオシゴトに依存している」と言っている.

本はその人を理解するために読むのではなくて, 自分を理解するためによむ. 「オーガズム」を勝ち誇り, それをユーモアでしかニゴせない, くだらない「あとがき」にうんざり.

考える事の強さ.

田嶋陽子は, 「知的好奇心」を武器にして生きている. 菜摘ひかるは体を売ってお金にしているけど, この人を本当に生かしているのは, 人間観察と思考だ.
田嶋陽子は, 「認識は力だ」という. 僕は言葉が悪いと思う.
「感じる事こそ力だ」
そう言いたい. 認識は感性の問題だ. 手をつないで電気が流れたり, 「好きだ」と気付くのも同じ認識だ. そして動物にとってそれが一番強い認識だと思う.

この二人は驚くほど似ている. 生命力が強い事, そしてどこまでも女らしい事.
僕は脳がオーガズムになっているので, まず 10 ページ読んで「この二人はイッた事がないな」と思った. 菜摘ひかるの方は文章の中で告白している. 田嶋陽子はわからないが.
これらの本はオーガズムに毒されていない. 純粋で, 正しい.